
ドルポは南と西をシスネ峰やカンジロバ峰に囲まれ、東はそびえ立つダウラギリ山塊に阻まれ、北にはチベットという隠れ里のようなところです。それだけに手つかずの天然自然がそのまま残っており、ここにドルポ(またはドルパ)のひとびとが集まって暮らしています。彼らは標高3,660m-4,000mで生活をしており、世界で最も高所に住んでいる民族と言えるでしょう。ドルポの人々はモンゴロイド系で、見た感じはチベット人に似ています。信仰しているのも仏教で、言語はチベット語を話します。驚くことに、人里離れたはるか秘境の地というのに130ものゴンパが建てられています。ドルポのひとびとは昔から、チベット商人と物々交換するための商品をヤクの背中にのせ、長期間の往復の旅をしてきました。彼等のこのようなライフスタイルを忠実に描いたのが映画「キャラバン」です。
またこの地は、澄み切ったターコイズブルーのフォクスンド湖でも有名です。
1989年まで人跡未踏の地だったドルポは、近代的な生活スタイルの影響をほとんど受けておらず、したがって、昔ながらの伝統的な暮らしを淡々と守り続けていることでも知られています。
ドルポを訪れると、有名なシェイ・ゴンパ(クリスタル寺院; チベット人にとって重要な巡礼地)をはじめとして、いくつかのユニークな寺院(=ゴンパ)を訪ねるといいでしょう。この地域をトレッキングするにはTIMSや入域用の特別許可証が必要ですが、それ以前にまずトレッカー自身が、ネパールの田舎の長い行程を元気に歩けるだけの体力がなければなりません。