
標高3500mのナムチェバザール(Namche Bazaar)はエベレスト街道その他のトレッキングの玄関口となっているシェルパの村。ネパール国内からも国外からもさまざまなひとびとが往来するナムチェには、雑多なグッズや先端ディバイス、チベット系装飾服飾品から8000m峰で活躍するクライミングギアまで、ありとあらゆる品物が集まっています。旅で必要になる基本的な品物は、輸送費がかかる分少し割高ではありますが、ほとんど手に入れることができます。村には来訪者向けの案内所もあって、周辺高峰のクライミング情報からシェルパの文化や生活様式情報まで、滞在者が必要とする情報のほとんどを提供してくれます。
ナムチェバザールの写真をひと目見たら、まずその姿を忘れることはないでしょう。自家製ヤクチーズやバターで知られ、昔から交易の拠点として存在感を示してきたこの村は、世界最高峰を含めた地上の白銀の高峰群の中でアーチ状に広がった斜面に開拓されており、目を上げるといつでも白銀の山々を見ることができます。クーンブ地域(Khumbu)の商都でもあったナムチェには、近隣の村々からはシェルパ達が、山の向こうからはチベット商人が集まり、物々交換を通じてお互いの商品や工芸品、芸術品をやりとりして富を蓄えてきました。しかしその生活様式は太古の昔からのそれを守り続けており、伝統文化や伝承信仰、それに基づくひとびとの暮らしぶりやホスピタリティからは、どこか懐かしい香りを感じて頂けるでしょう。
品物に限らずホテルやロッジやレストラン等、来訪者に必要なファシリティが揃っているだけでなく、世界中のクライマーと対等に交友してきた結果、いち早くインターネットファシリティを取り入れ、外国人でも楽しめるパブやサイバーカフェやプールバーまであります。
これからさらに上に登ろうとしているなら、ここで数日ステイして楽しみながら高度順化するのがおすすめです。ステイと言っても もちろんじっとしている必要はなく、シェルパの上村であるシャンボチェ(Syangboche)やターメ(Thame)、クムジュン(Khumjung)、クンデ(Khunde)などを軽く往復してみるのもいいでしょう。
毎週土曜日にはその名の通り、週に一度のバザールが開催されます。ここでは昔ながらの村の人々、チベット商人などが品物を見せ合い、取り引きしている姿を今でも見ることができます。